嘘つきな僕ら【完】




「佐藤さん…?」



小首を傾げて、まんまるな目をぱちくりさせてあたしの顔を覗き込む。そんな可愛い顔であたしを見つめないでよ。



「夏樹に、渡しておくね。」



断る理由なんて見つからず、手紙を受け取ってしまった。



「手紙読んだらわたしのクラスにくるように言ってもらえる?」


「うん。」


「ありがとう。佐藤さんがほんと友達でよかった!」



よろしくね、と満面の笑みで日高さんは教室を出て行った。






日高さんの言葉に一つ疑問が浮かぶ。



お友達になった記憶ない。



挨拶程度の仲、なはず。


夏樹狙いの女は必ずあたしを使って告白するか勝手にお友達扱い。



学年一でも、他と同類か。






「あーーーーー!あたしのばか」



椅子にもたれかかり、渡されたラブレターを上にあげて
透かすとうっすらと見える文字。