嘘つきな僕ら【完】





女のあたしでも好きになる気持ちわかるわ、と心の中で頷く。



「これ、あとで

夏樹くんに渡してくれる?」



頬を赤らめる日高さんの手には。

可愛らしい花柄の封筒。




すぐにピンときた。ラブレター、だ。


とうとうこの日が来たんだ、と胸がぎゅっと締め付けられる。



そんなもん自分で渡せばいいのに、なんであたしなんかに…、