「今すぐにどけ」

「どきたくても夏樹が乗ってるからどけるわけないじゃんか!!!!」

「俺のベッドに寝てる奴が悪い」


「もう…ギ…ブ…」



寝るならリビングのソファーで寝ろ、と言い放つと一気に軽くなった。




「死ぬかと思った…」



ふぅ、と深呼吸して起き上がる。あたしより10kg以上もある巨体が乗るとこんなにも苦しいとは。数年前まではあたしでも夏樹のことおんぶしたりできたのに一気に成長しすぎでしょ。




「ったく。一応、言っておくけど俺とお前は男と女なの?わかる?」



またこの質問か。




「それが?」

「それが?ってな…。俺も男なんだからってことをだな」



険悪そうな顔であたしを見る。目が合うと逸らして、だからさ、と何か言いたげ。