私の恋人、水瀬幸樹がなくなったのは一ヶ月ほど前のこと。彼は出ることの叶わなかった高校の卒業式の後、間も無くして息を引き取った。

 今年の9月末、彼は自分の体調に異変を感じ、病院での検査の結果、癌だと発覚。その時には手遅れで、進行の早いその病は、瞬く間に彼の命をすり減らしていった。

 そして静かに彼の葬儀が終了した後。彼から私へとあるものが届けられた。

 それは大好きな彼から私に宛てた手紙だった。