エプロンをつけてからリップを塗り直して、打刻をした。 気合いを入れた。 今から六時まで雅暉さんと仕事。 そこからは三時間と少し空さんと二人きりだ。 大丈夫。 絶対に泣かない。 いつも通りを心がける。 「苗ちゃん、こっち手伝ってもらえる? これ運ぶの手伝って~!」 「はい、わかりました!」 すぐに空さんに呼ばれてホールに付きっきりになった。 そんなに忙しくはなかったけど、キッチンにあまり近づかなくて良かったので雅暉さんと会話をあまりせずに済んだ。