一時間しかかぶっていないとしても、雅暉さんと顔を合わせ、話す機会があるのは本当だ。


 その時間、雅暉さんと同じ空間にいると思うだけでつらい。


 家を出る前に大和くんから電話がかかってきた。


 次のバイトの日について話していたから気持ちを察して電話してきてくれたのだと思う。


 そんなに時間がなかったからあんまり話すことは出来なかったけど、『頑張れ』と言われるだけで気持ちが落ち着いた気がした。


 大和くんの優しさに毎日救われていた。


 電車に乗ると、前にフラれて帰る時に電車に乗っていた時のことを思い出した。


 あの時の光景がフラッシュバックする。