私は押し殺していたものを全部吐き出した。


 大きな声が出るのも構わず泣いた。


 何が悲しいのかもよくわからない。


 それでも溢れてくるものを出すには泣くのが一番だった。


 考えても考えても正解はわからない。


『落ち着いた?』


「うん・・・・・・。ありがとう」


 思う存分泣くと少しすっきりした。


『何でも話して良いからね。思いついたこと何でも吐き出してみな。ゆっくりで良いよ』


「うん・・・・・・」


 高校の時にたくさんつらい思いをしてきた陽十香は、きっと私よりも強い。


 一度つらさを経験してそこから立ち直ってまた恋愛に踏み出せている陽十香は
私の何十倍も立ち直る努力をしてきたのだろう。