空の言っていることだって理解してる。
でも俺はそんなに出来た人間じゃない。
もう、疲れたんだ。
ーーー
美舟が実家に帰っていく日、俺は信じられないくらい泣いた。
美舟が困っているのはわかった。
それでもその涙を止めることは出来なかった。
「雅暉くん、もう行くね」
そう言われても、俺は何も言い返せなかった。
『行かないでよ』
そんなことを言ったって何も変わらない。
『好きだよ』
そんな気持ちは関係ない。
もう、無理なのだ。
美舟もそれがわかっているから、何も言ってこなかった。
『ごめんね』
とたくさん謝られた。
そんな言葉が聞きたかったわけじゃない。
ただ、俺のそばにいて欲しかっただけだ。


