ねえ、知ってる?【下】




 空とはもう二年以上の仲になる。


 よく俺に懐いてくれているから、俺も信頼して色々な話をする。


 美舟とのことも、家のことも、空には少し話してある。


「でもまだ終わってないんだったら、他の子に手出しちゃダメでしょ。もうまともに生きるんじゃなかったんすか」


「そうだよーー。わかってるけど、だってもうどうしたら良いかわからないしね」


「美舟さんを傷付けたらダメなのは当たり前だけど、そんな雅暉さんも見たくないっすけどね」


「冷たいな~空は!! ははっ」


 どうでも良いよ。


 俺のことはどうでも良いんだよ。


 美舟のことは傷付けたくない。


 でも、美舟だって俺を傷付けてるじゃん。


 本当は仕方のないことだっていうのもわかってる。


 それでもこれだけ長いこと付き合って来たのに、別れないといけないなんてあんまりだ。