ねえ、知ってる?【下】




 あんなに美舟以外の女の子に興味がなかったのに、もうどうでも良くなってしまった。


 本気で思っているのは美舟だけだった。


 俺はきっと、逃げ道を作っていたのだと思う。


 美舟が自分の前から消えてしまっても、自分が傷付かずに済むよう、無意識のうちに行動していたのかもしれない。


 苗ちゃんがアルバイトの面接に来たのはそんな時期だった。


ーーー 


「雅暉くん、バイトの子。面接しに来たよ!」


「は~い。じゃあ中頼むね」


「うん!」


 美舟に呼ばれてホールに出ると、そこにはめちゃくちゃ可愛い女の子がいた。


 歳は確か18だったから、完全にダメな匂いがするな・・・俺。


 高校を卒業してすぐの感じ。


 髪を初めて染めて、化粧を覚えたての女の子。