何日も家に帰っていないのだろう。


 足下はドロドロになっていた。


 男にフラれたのか?


 俺は昔から女の子に甘かった。


 誰にでも優しくしていたら、誰からも好かれたけど、誰からも本気では愛されなかった。


 誰も俺の本心まで知ろうとはしなかった。


 別に何でも良い。


 楽なままで良い。


 本気で好きになってもしんどいだけだと思う。


 失恋した友達を見ていると思う。


 あんな風に傷付きたくはない。


「ちょっと座って待っててね!」


「はぁ・・・・・・」


 急に連れて来たせいでずっとビクビクしている。


「すいません、山さんなんか作ってください。女の子連れて来てて」


「おいまたか、雅暉! あいよ、待ってて」


「あざーっす!」