様子のおかしい私に気付いて、大和くんにつっこまれてしまった。
慌てて返事を返す。
「なっ、何もないよ・・・・・・」
大和くんが近くにいると緊張してしまって他のことが考えられなくなる。
そのおかげで雅暉さんのことを考えずに済んだ。
「苗、寝顔も可愛かった」
「え!? 見たの・・・??」
「うん。一回起きた時にずっと眺めて頭撫でてた」
「・・・・・・・・・」
今更ながら、誰かの隣、それも男の子の隣で寝てしまったことが恥ずかしくてドキドキする。
起きた時にも手が軽く繋がれていたので、寝ている間もずっと手を繋いでくれていたのだとわかった。
八月の初旬。
暑くなったこの季節のように心も体も熱い。
それを全身で感じ取っている。
母親以外の誰かにこんなに大事に思われたことが今までにあっただろうか。


