大学生になったから、俺ももうこれまでみたいな生活はやめる。


 別にモテなくたって良い。


 ただ自分の価値はもう下げたくない。


 俺は目の前にいる新田苗の笑顔をもっと見たい。


ーーー 


「好き・・・・・・・・・」


 水族館前の広場で、苗にそう伝えられた時、嬉しすぎてどうにかなりそうだった。


 やっとだ。


 長かった。


 俺がずっとそばにいたのに、ずっと支えていたのに、こいつは全然振り向かなかった。


 今まで寄ってくる女の子をオトせなかったことはない。


 なのにこいつは、年上のバイト先の先輩に夢中だった。


 俺が好きになる女の子は、いつも俺より年上を選ぶ。


 俺の方が絶対に幸せに出来るのに。


 絶対に幸せにするのに。