ねえ、知ってる?【下】




 私は大和くんの手を引いて洗面所まで案内した。


 大和くんが顔を洗っている間、後ろで新しいタオルを用意して待っていた。


 どこを見たらいいのかわからず、キョロキョロしてしまった。


 落ち着かない。


「タオルありがとう」


「う、うんっ・・・」


 顔を洗ってさっぱりした大和くんは、いつも通り綺麗な顔立ちだった。


 こんな人が、本当に私のことを好きでいてくれているんだな・・・。


「部屋、戻ろっか・・・」


「苗、なに緊張してんの?」