必死だった。 学習塾の先生と生徒であるという立場上、これが報われることなんて別に望んでいなかった。 ただ、他の誰にも和田先生を取られたくなかった。 俺の中学時代の思いでは、和田先生だった。 周りが付き合うやら、デートやらで浮かれ初めても、俺はほぼ毎日、部活語に塾に通って先生と話した。 『誰にも言っちゃダメだよ』 そう言って連絡先も教えてくれた。 本当に嬉しかった。 ドキドキしながら初めてのLINEを送ったことを、未だに覚えている。