少し寂しそうな表情で私を見つめる姿を見て、少し嫌な予感がした。


 大和くんがたまに見せる、悲しげな表情。


「俺の中で水族館は、俺を弄んでた年上の元カノと行った記憶が最後だから。俺の嫌な記憶を苗で更新して欲しくて、ついて来て欲しかった」


「そっか・・・・・・」


 どう返事をしたら良いのかわからなかった。


 大和くんが前に話してくれた過去が頭に浮かぶ。


 前に話を聞いた時は、こんな気持ちじゃなかったのに、今大和くんの昔の話を聞くと、胸がチクりと痛む。


 大和くんが一度、本気で恋をした人。


 水族館はその人との思い出の場所だったんだ。


「俺の勝手な理由でそんなことさせて悪い・・・。でも毎年この日が来ると思い出して、いつまでも忘れられないのがバカみたいだなって」


「良いよ! 色んなとこいっぱい行こう? ・・・・・・・・・私が、色んな思い出を更新するよ・・・・・・・・・!」


「え??」