処理を終えたあと最終確認を行うと、もう定時になっていた。
私がパソコンと向き合って処理をしていた間も、蒼は私の椅子のそばに立っている。
「終わったからもういいよ。まだ仕事残ってるんでしょ。早く戻りなよ。」
「いや、もう今日の仕事は終わってるから。」
「あら珍しい。って、今日は金曜日だもんね、デートの一つや二つのために急いで終わらせたんでしょ。」
「まあね。今日は残業しないって決めてたから。おかげで昨日までは毎日残業続きだよ。」
「それはお疲れ様。じゃあ私は帰るから。」
使っていたパソコンをシャットダウンして、軽く荷物を整理すると椅子から立ち上がる。
おそらく他の社員も定時で上がれると言っていたから、手伝うこともなさそうで、同僚たちに「お疲れ様でした」と声をかけた。
それに続いて蒼も一緒に歩き出す。部署を出た当たりで、先輩の飯田さんとすれ違う。
「あれ、水瀬は大橋とデートか。良いな。」
蒼と一緒にいると、嫌でも付き合っているのか、なんてくだらない想像をされて困るばかりだ。
こうして蒼といるところを見かけると、社内の知った人からは茶化されるし、若い女の子からは陰口をたたかれることも多々ある。
ただでさえ蒼は顔も整っていて、さらには営業部でも好成績をたたき出している。好かれるのも無理はない。そんな容姿と実績から、社内の王子様のように扱われている。だからといって、私に被害を出さないでほしいけれど。
「勘違いしてるみたいですけど、私は直帰です。大橋は誰かとデートみたいですけど。」
横目で蒼を見ると、余計なことを、とでも言いたげな顔をしている。
「ええー、大橋さん彼女いるんですか。」
「どんな人なんですか?」
私の一言に飛びついて、蒼に群がる若い女性社員たち。
「え、いや、彼女じゃなくて。」
「好きな人ですか?ショックですー。」
語尾が嫌に伸びている若い女の子たち、たった1,2歳しか変わらないのに、若いって良いなあなんて、思わず苦笑する。
私がパソコンと向き合って処理をしていた間も、蒼は私の椅子のそばに立っている。
「終わったからもういいよ。まだ仕事残ってるんでしょ。早く戻りなよ。」
「いや、もう今日の仕事は終わってるから。」
「あら珍しい。って、今日は金曜日だもんね、デートの一つや二つのために急いで終わらせたんでしょ。」
「まあね。今日は残業しないって決めてたから。おかげで昨日までは毎日残業続きだよ。」
「それはお疲れ様。じゃあ私は帰るから。」
使っていたパソコンをシャットダウンして、軽く荷物を整理すると椅子から立ち上がる。
おそらく他の社員も定時で上がれると言っていたから、手伝うこともなさそうで、同僚たちに「お疲れ様でした」と声をかけた。
それに続いて蒼も一緒に歩き出す。部署を出た当たりで、先輩の飯田さんとすれ違う。
「あれ、水瀬は大橋とデートか。良いな。」
蒼と一緒にいると、嫌でも付き合っているのか、なんてくだらない想像をされて困るばかりだ。
こうして蒼といるところを見かけると、社内の知った人からは茶化されるし、若い女の子からは陰口をたたかれることも多々ある。
ただでさえ蒼は顔も整っていて、さらには営業部でも好成績をたたき出している。好かれるのも無理はない。そんな容姿と実績から、社内の王子様のように扱われている。だからといって、私に被害を出さないでほしいけれど。
「勘違いしてるみたいですけど、私は直帰です。大橋は誰かとデートみたいですけど。」
横目で蒼を見ると、余計なことを、とでも言いたげな顔をしている。
「ええー、大橋さん彼女いるんですか。」
「どんな人なんですか?」
私の一言に飛びついて、蒼に群がる若い女性社員たち。
「え、いや、彼女じゃなくて。」
「好きな人ですか?ショックですー。」
語尾が嫌に伸びている若い女の子たち、たった1,2歳しか変わらないのに、若いって良いなあなんて、思わず苦笑する。

