それから、いつも私を助けてくれたのは、蒼だけだった。


男子に意地悪をされて泣いていたときも。

友達と喧嘩して落ち込んでいたときも。

親に叱られて公園を歩いていたときも。


幼稚園のかくれんぼで木の上に上った私が誰にも見つけてもらえなくて、さらには降りられなくなったとき。

唯一私を見つけてくれた。大丈夫だから、とゆっくり降りていけるように声をかけてくれた。

初めて言葉を交わしたあの日、桜の枝をくれた日から。

私を助けられるのは、蒼だけだと。子どもながらに思っていた。

『あおいを助けられるのは、そうくんだけだから。これからもずっとたすけてね』


そう言った私に、蒼は―――