Sun × Moon ~正反対のふたりは探偵です~

色々考えを巡らせながら月乃は、
 "Sunny《サニー》 Detective《ディテクティブ》 Agency《エージェンシー》"の扉を開けた。

 カランコロン、というベルの音と共に中に入ると、カウンター席に座る男性が輝本と談笑していた。

「お疲れ、影井…あ、先程話していた助手の影井だよ」

 と輝本は、男性に月乃を紹介した。

「お疲れ様です。こんにちは、助手をさせて頂いております。影井月乃です」

 月乃はペコッと頭を下げた。

「どうも、輝本に依頼した石川誠也《いしかわ せいや》です。有明市内で会社員をしています。」

 石川は30歳前ほどで、少し背が低く小太りの優しそうな男性だった。

「石川は、僕の大学の同期だよ」

「そうなんだ。でも俺が2年留年したから…歳は俺の方が上なんだけどね」

 石川が苦笑いした。