「お待たせいたしました~、ウーロン茶になります」

店員さんの声で私は我に返った。
テーブルの上には、ウーロン茶が2杯並んでいた。


「青葉くん、呑まないの…?」


「ええ、そこまでお酒好きじゃありませんし。
それに先輩を差し置いて、自分だけ呑めませんよ」

そう言って、


「はい、乾杯しましょ」

と、ウーロン茶が入ったグラスを片手に
私に爽やかな笑顔を向ける。

今更、こんなことで気を遣われても
全く嬉しくないのだけど…。