「…ケン?」


お互い息も絶え絶えの中でロビンがそう問いかける。


「私は…
ケンが覚えているあの頃の真っ新なロビンじゃないの…
ここにいるロビンは、ケンにはふさわしくない…

だから、こうやってキスをするのはこれで最後にしよう。
だって、あの時の約束は、今日で果たされたでしょ?」


健太郎はロビンの話に顔をしかめる。
くだらないって伝わるように。


「ロビン…
そんなの今さらだよ。
僕は子供の頃の直感を大切にしたい。
ロビンの事が大好きで、ロビンが居なくなった後もずっと会いたいって思ってた。
ようやく会えたんだ…
僕はもう二度とロビンを失いたくない。

だから、もう僕を捨てないでよ…」


ずっと、探してた。
忘れた事なんかなかった。
ロビンが居なくなった時、僕はまだ何もできない子どもで、でも、今の僕はどんな事からもロビンを守り抜く力がある。

健太郎のロビンへの想いは、溢れるほど湧き出てくる。
もう、以前の自分自身を思い出せなかった。
それくらいにロビンの存在は、健太郎を完全な男へと変えてしまった。

健太郎はキスを止める事ができない。
キスより先に進んだら、ロビンは受け入れてくれるのか?
そんな事を考えながら、ロビンの母性に溺れる僕がいる。