その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党



「僕も一緒だよ。
僕は子供の頃にアメリカに移って、それから日本語はほとんど使わないで生きてきた。
最近、結婚をして、ちゃんと日本語と向き合うようになったけど、でも、僕は見た目は日本人なんだけど、あまり上手には話せないんだ」


舟はロビンを見て肩をすくめた。
そして、何かを思いついたように大きく頷く。


「じゃ、この会社では主に日本語を話す事。
話さなきゃ上手にならないからね。
それは、僕にも言える事なんだけど」


ロビンは舟の笑顔に救われる。


「それと…
あ~、これは僕の意見じゃないからね。
社長の、僕の母親からの意見だから。

契約期間は三か月というのは聞いたと思うけど、延長はまた期間満了になる時に要相談らしい。

それと… う~ん。
あ、やっぱりいいや、いい、一応、話はそれだけ。
明日から頑張って。
仕事内容は明智君が丁寧に教えてくれるから」


ロビンは大切な何かを聞いていないような気がしていた。
でも、舟はもういいという。
今日は必要以上に質問をする事はしたくない。


「一生懸命頑張ります。
どうぞよろしくお願いします」


今のロビンは日本語で挨拶をする事で頭がいっぱいだったし、日本語という高いハードルもロビンの気持ちにプレッシャーをかけた。

そして、きちんとお辞儀をして、社長室を後にした。