ロビンは15分前にEOCの入っているアバンクールヒルズビルに着いた。
ここのロビーで健太郎と待ち合わせをしている。
ロビンがホテルのロビーに入った途端、健太郎からメッセージが入った。
言われた場所に目を向けると、いつもの笑顔で健太郎が手を振っている。
伊達メガネをかけているロビンを見て、健太郎はグッドと親指を立てて笑った。
「僕達の関係は一通り会社の人には説明しているから。
緊張しないで、普通にしてれば大丈夫」
「以前の仕事の事を聞かれたら?」
「本当の事を話していいと思うよ。
ロビンが話せるんだったらね。
EOCの人達は、実際、まともな人間が少ないんだ。
ロビンの職歴で驚く人はいないと思うよ。
皆、もっと、趣味とか嗜好とかぶっ飛んでるから」
ロビンは力なく微笑んだ。
自分の過去を消してどこかへ葬り去りたい。
それくらい、自分の今までの人生に嫌悪感を抱いていたし、思い出したくない思いが強過ぎて、本当に記憶が薄れていっていた。
それがいい事なのか悪い事なのか分からないけど。
健太郎はロビンを連れてEOCの中へ入った。
今日この時間にここにいるメンバーは、ジャスティンと在宅で仕事をしているたまにしか来ない非常勤社員が二人ほど。
その状況に健太郎は胸を撫でおろした。



