「ケン…
私、まだ、そんな無理だよ。
そんなちゃんとした所では働けない…
健太郎の気持ちは嬉しいけど」
「あのカフェの近くに居るんだろ?
今から行くから、あの店の前で待ってて」
ロビンは違う場所と何度も言った。
でも、健太郎は、じゃ、どこ?って聞いてくるだけ。
「じゃ、あのカフェのある駅の改札前で待ち合わせしよう。
絶対に来て。
僕は今から出るから」
それだけ言って、電話は切れた。
ロビンは途方に暮れる。
健太郎に再会できた奇跡は、一体私にどんな試練を与えるのだろう。
健太郎の優しさに甘えたくない自分がいる。
甘えれば、絶対に離れたくなくなる。
健太郎はそういう人…
私の求める全てのものを持ち合わせている。
だからこそ、甘えちゃダメ…
健太郎を愛してしまう事が目に見えているから…
それでも、ロビンは待ち合わせの駅へ向かった。
健太郎を一人ぼっちで待たせるわけにはいかないし、ロビン自身も人恋しくてたまらなかった。
駅から笑顔で出て来る健太郎を見つけた。
あのあどけない笑顔にいつも癒された。
まだ汚れを知らない幼い私に戻ってしまう。
私も精一杯の笑顔を作って、健太郎を出迎えた。



