「今夜なんですけど、今夜、謙人さん、ミアと食事に行ってほしいんです。
もう、ミアにはそう伝えてあります。
ミアは謙人さんに夢中になってて、そんな弱い部分を利用して僕はミアさんからある情報を引き出す事ができて。
謙人さんのおかげです!
本当に感謝しています!
で、食事とか、今夜、大丈夫ですか…?」
謙人は何も言わずにひたすら食べている。
短めに切った無造作な髪が、それがセットしてあるのか何もしないままなのか分からないが、とにかく何もかもがセクシー過ぎる。
食べる仕草も、何だか可愛いし。
「で? その情報って何?
それは聞かせてもらえるんだろ?
秘密主義の明智君でも、それはちゃんと話してもらわないと。
俺って、そんなお人好しじゃないぞ」
謙人はそう言いながら、今度は厚焼き玉子のサンドイッチのビニールを自分で開け始める。
ワクワクした顔をして。
健太郎は一点を見つめた後、心を決めて謙人を見た。
何だか自分の弱みをさらけ出すような気がして、気分は乗らなかったけれど。
そこから健太郎は、一気にロビンとの関係性を話し始めた。
ずっと探していた事、大人になって今ならロビンを救える事、他いろいろと。
謙人は黙って聞いていた。
そして、健太郎がしゃべり終えるのを待って、一言こう問いかけた。
「ロビンを好きなのか?
大人の言葉で言えば、異性として愛してるか?って事。
ロビンを救い出した後は?
結婚したいとか?」



