その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党



ミウは二杯目のカクテルを飲み干すと、涙をポロポロ流し始めた。
そして、ベトナム語で話す事で回りに聞かれる心配がないと思ったのか、ポツポツとミウの口から言葉が出始める。


「ロビンは想像を絶するくらいの苦労をしてきた。
飛びぬけて綺麗で頭が良くてそれでいて儚げで、そんなロビンを悪い男達は放っとかない。

私はまだロビンと知り合って三年にしかならないけど、ロビンはこの夜の闇の世界に十年間縛られてきた。

やっと、その十年が終わったの。
終わる時だって決して簡単じゃなかった。
でも、彼女は、やっと本物の自由を手に入れる事ができたの。

だから、今は、彼女の好きなようにさせてあげたい。
あなたが古くからの友人だったとしても、今のロビンに近づいてほしくない。
どこに恐ろしい罠が仕組まれているかもしれないから」


健太郎はそれでもひるまなかった。
というか、ひるむという言葉自体、健太郎の中には存在しない。


「ミウさんは謙人さんの事が気に入った?」


最低なやり方だけど、この手段を使うしかない。
これが手っ取り早くて、ミウの欲求に答える事間違いないから。

あ~、本当に謙人さんがいてくれてよかった…
彼の最大で最強のセクシーさに敬意を示したいくらいだ。