その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党



ミウは目の前に置いてある桜色のカクテルを一気に飲み干した。


「ロビンはやっと自由になれたの…
誰にも束縛されずに、誰とも関わりを持ちたくないって思っている。

あなたがロビンの友達だっていう事は信用できる。
できるけど…
ごめんなんさい、居場所は教えられない」


健太郎はもう一杯桜色のカクテルを注文した。
どんな手を使ってでもロビンの居場所を知りたかった。
それが完全にミウを酔わす事だとしても。


「ロビンはまだ日本に居るの?」


ミウは微笑んだまま肩をすくめる。


「ロビンは日本から離れないよね?
彼女は僕や僕の家族によく日本の話を聞いていた。
ロビンのママはいつか行ってみたいって、ロビンによく話してた。
彼女の夢は日本へ行く事だった」


ミウはロビンのママの話にはすぐ下を向く。
その表情で、ミウとロビンの関係性が分かる。


「僕は彼女に普通の生活をさせてあげたい。
ロビンは頭が良かったから、色々な事を学びたいって言ってた。

学ぶ事に年齢や国籍なんて関係ない。
彼女の唯一の昔からの友人として、彼女を支えてあげたいと思ってる。

僕だけじゃない。
僕の両親だって同じ気持ちなんだ」