皆、謙人にアフターに誘われたいと躍起になっているのが分かった。
でも、そんな中、張本人の謙人は涼しい顔でウィスキーをたしなんでいる。
誰にしようかな、なんて適当な笑みを浮かべて。
健太郎はトイレに立った謙人にメッセージを入れた。
「謙人さん、誰かアフターに誘いますか?」
「何も考えてないけど」
「お願いがあります」
その後、健太郎は猛スピードでメッセージを打った。
ミウをアフターに誘ってください、そして、その相手は僕がしますという事を。
それから一時間後…
健太郎は別の店でミウと飲んでいる。
でも、ミウは明らかに機嫌が悪かった。
「ごめんなさい…
こんな姑息な手を使って…
でも、どうしてもミウさんと二人きりで話したくて」
「謙人さんは? どこ?」
健太郎は困り果てた顔をして微笑んだ。
謙人はミウを誘い出すと、すぐに健太郎にお願いして帰っていった。
「ありがとう、楽しかったよ」って、軽くミウにハグをして。
ミウの心はもう謙人でいっぱいだ。
だって、ミウの瞳がハートにしか見えない。



