その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党



「あの…
この店のママって、すごく綺麗で有名ですよね?
ちょっと、ネットでそんな情報を見つけて」


健太郎は謙人のおかげでいい気分になっている女の子に何げなく聞いてみた。


「ママって、えりかさんの事かしら?」


謙人の腕に自分の腕を絡めてうっとりとしている女の子がそう聞いてきた。


「あ、はい…
確か、えりかって書いてあったような」


すると、その女の子は声を潜めてこう教えてくれた。


「えりかさん、ここを二週間前に辞めちゃったの。
何だっけな、引退するとかそんな事言ってた」


その女の子がそう言うと、隣にいたアジア系のミウという女の子がその子の腕をつまんだ。


「いたっ…
分かってる、もう言わない」


健太郎はその女の子達のやりとりをジッと見ていた。
この店にロビンは居ない。
それは間違いなく事実のようだ。
健太郎の全ての計画が変更になる。
その事柄は健太郎を一気に疲れさせた。

その後も健太郎はミウという女の子を観察した。
アジア系でもこの子はベトナムに違いない。
健太郎の中で、このミウがロビンの手がかりになると確信していた。

そんなミウも謙人に夢中になっている。