その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党




健太郎は加賀谷にも聞こえるように、ロビンにそう問いかける。
でも、ロビンは小さな声でごめんなさい…って言うだけだ。

そして、健太郎は加賀谷に目を向ける。
健太郎の中で沸き上がる怒りは、頭の中で一度ろ過されて冷たく容赦ない言葉となって、加賀谷をロックオンした。


「あなたがロビンを無理やり連れだした事は、監視カメラにも人の記憶にもはっきりと残っています。
僕達EOCの人間はその行為に対して警察へ届ける事もできますが、どうします?
何か言い訳がありますか?」


健太郎はいつものように事務的に淡々と物事を伝えた。
こういう場面で感情的になるのは愚かな人間がやる事だと、そういう類の人間をバカにしながら。


「無理やり連れだしたのは、あんたでしょ?
えりかは俺と結婚の約束をして、だからあの仕事を辞める事ができた。
本当なら、えりかは俺の籍に入って日本国籍を取るための手続きをしてるはずなのに。

警察へ訴えるとしたらこっちの方だよ」


加賀谷はそう言って鼻で笑った。
健太郎は冷静さを失わずに、ロビンを見つめる。
ロビンは下を向いたまま、何も言わない。