「別に女の子に興味があるわけじゃなくて、そのクラブの後ろに付いている闇の部分に興味がありまして」
謙人は目を細めて健太郎を見つめる。
「明智君、君が頭がいいのは誰よりも知っているけど、探り出していい事ばかりじゃないぞ。
特に、その世界はね」
健太郎は謙人の言葉に落ち込むふりをする。
「で? その店の名前は?」
健太郎はホッとした顔で謙人を見た。
謙人が好奇心旺盛なのは、この職場で一番だと分かっている。
だから、今でも独身を貫いて毎晩楽しんでるし、そんな謙人の魔力的な魅力に男も女も抗えない。
謙人さんほどセクシーな人はいない。
その吸引力は最大で最強の武器だった。



