健太郎はしばらく加賀谷のマンションの前で待っていたけれど、きっと、二人は今日ここへは帰って来ない。
だからといって、ぐるぐる街を探し回るには、二人の行動範囲が広すぎた。
健太郎は自分のマンションで待つ事にした。
それもマンションの外で。
すると、白いセダンタイプの車がマンションの手前で止まった。
健太郎はマンションの植え込みに座りその車の様子を見ていた。
後部座席から降りようとする人物がロビンだと確信すると、健太郎はその車へ近づいた。
ロビンは健太郎を見つけて驚いていたけれど、内心ホッとした顔にも見える。
健太郎はロビンが降りた事を確めて、運転席の方の窓をコツコツと叩いた。
その車の持ち主は路駐できる場所に車を停め、歩いて健太郎の元へ来る。
見た感じはまだ20代後半といった風貌で、夜の世界の人間とは思えないほど身なりも仕草もスマートだ。
でも、健太郎を見る目は、明らかに敵視して憎しみで溢れている。
「ロビン、今日はどうしたの?
仕事をほっぽり出して、急に居なくなって。
皆、すごく心配してたんだよ。
一階のロビーにいるコンシェルジュの人なんか、ロビンがさらわれたって思ったらしい」



