あれから私は一睡もせずに泣いてたんだけど、今日は学校の日。ほんと憂鬱。目、凄い腫れたし、顔も浮腫みまくり。もうやだ。

「柚葉ー!いつまで寝てるの!遅刻するよー!」
「起きてるー!!」

ほんとこんなときぐらいそっとしといてほしい。まあ母さんには振られたってまだ言ってないから当たり前なんだろうけど。

「今日食欲無いから朝ごはんいいや。行ってきまーす」

はあ。ほんと目の腫れ治らないし優馬とは電車一緒だし。もうやだー!!!

「ねえ、定期落としたよ」

振り返るとそこには、真野先輩。この人バレー部のエースですごいモテるの。近くで見てもほんとかっこいいと思う。

「あ、ありがとうございます…!」
「あれ、目、赤いよ?大丈夫?」

やっぱバレるよなああ。ほんとやだ。

「あ、これはちょっと…昨日彼氏に振られちゃって…あはは…」
「…。」

失敗した。完全に先輩無言だ…どうしよう…!

「あ、あの…!」
「ねえきみ、名前なんて言うの?」

あれ…?先輩、気にしてない?

「桃城、柚葉です」
「柚葉、かわいい名前だねメルアド交換しようよ。俺、君のこともっと知りたい」

え、先輩が…?こんな平凡な私と?え?

「え、私とですか…?」
「うん。柚葉と」

ブーブー

「俺なら、そんな風に泣かせないのに。」

「え?」

「ううん。なんでもない。また連絡するね柚葉」

なんか、まだちょっとドキドキしてる。先輩ってあんな人だったんだ…。