文房具が売っているコーナーに来た
「えっと、赤ペンは……」
買うものを手に取っていった
「これでよし……。買ってくるから、聖矢くんと待っててくれる?」
「わかった」
「まぁーあ!」
聖矢くんが私のことを呼んだけど、祐は無視してベビーカーを押し始めた
「うー!」
「美音とは、また後でね」
そんな会話が聞こえてきて、少し笑ってしまった
すっかり、お父さんじゃん
そう思いながら、レジで支払いをした
会計が終わって、祐と聖矢くんがいる所に向かった
「お待たせー」
「しー」
私が言うと、祐が人差し指を口の前で立てて言った
椅子に座っている祐の腕の中には聖矢くんがいて、ぐっすり眠っていた
「寝ちゃったんだ」
私は、声を小さめにして言って、隣に座った
あんな短時間に、すごい
「聖矢が、ママって聞かなくて。俺よりも美音がいいみたい」
「……そっか」
そう思ってもらえていることが嬉しかった
「……こんな小さな子どもにすら、ヤキモチ妬いちゃう」
「えっ?」
祐は、抱いている聖矢くんを見て言った


