鈴花 side


「いい景色だね!」


「危ないから気をつけろよ、鈴」


「わかってる!」


私と修は、数日前に当てた旅行券ペアチケットで、旅行に来ていた


場所は観光地の中でも有名な所で、趣のある旅館の周りには絶景が広がっている


私と修は、旅館周辺を歩いていた


「鈴、そんなに早く行ったら……」


後ろの方で、修の声が聞こえた


私は後ろを向いて、


「大丈夫だって!」


歩きながら、修に言った


すると……


「キャッ!」


私は、石につまづいてよろけた


「鈴!」


私は怖くて、とっさに目を閉じた


そこから、数十秒が経った


でも、一向に痛みはやってこなかった


……あれ?


痛くない……?


なんで?


私は、恐る恐る目を開けた


目を開けると、安心している顔をした修がいた


「え……」


そこで、私は全てを理解した


修に、抱き留められていた