「カズマさん、かっこいい〜!」


ため息まじりの舞の声。


うん。確かに、今日のカズくんはいつもよりまして、カッコイイと、思う。


ピンと伸びた背筋には着こなしたスーツがよく似合ってる。


副社長就任のスピーチが終わった時に、司会の女性から、質問が飛んだ。


「最近注目されていることですが、どなたかパートナーはいらっしゃるんでしょうか?」


たしかに、カズくんを取り上げる雑誌の話題も、恋愛関係を探るネタが増えてきてる。



そんな質問をされても、カズくんはいつもの様にさらっとかわすんだろうと思ってた。



でも、一旦置きかけたマイクを持ち直し、カズくんは言葉を続けた。