「やっぱりおかしいと思った…」



呟く彼女の声は少し震えていて。



本当に陽斗が好きなんだ。


そう私にも実感させた。



「これは、違うの!」



言いかけた私を押さえて、陽斗が口を開いた。



「俺、陽菜と付き合ってる」



陽斗っ。



大丈夫なの?



そんな私の視線を押さえて陽斗は続けた。



「どちらにせよ、ヒカリには早めに言うつもりだったから…」



陽斗がこういうと、ヒカリさんはふらふらと中に戻って行った。



「大丈夫なの?」



陽斗は前を見たまま、



「あいつもわかってくれると思う」



言い聞かせるように呟いていた。



私はなんだか嫌な予感が拭えなくて。