永遠、というものがあれば

お店は貸し切りになっていて、周りに食事が用意されていた。奥にはちょっとしたステージも用意されている。



私はすぐにキョロキョロと彼を探した。



いた。



ステージにほど近いテーブルに座っている陽斗もまた誰かを探しているようで、その視線が私とぶつかる。


あ、笑った。



少しだけ交わした笑顔は私をこんなにも安心させるんだ。



「見ぃちゃった!」



隣で舞がニヤニヤして私をつつく。



「芸能人、っていっても、普通の男の子なんだよね。なんか意外な感じもするけど」



意外って…。



その時、さっと会場の雰囲気が変わったから、入口を見ると、おじさま登場。



そっか、会社ではかなり恐れられてる、って話だもんね。



「ね、ね。あれ誰?」



舞が小声で囁く。



あ、そっか。カズくんパパがどんな人か言ったことなかったっけ。