クールな彼のベタ惚れ事情




勉強でもしようか。
それとも久我に電話して……。


「日南さん、聞いてる?」
「……え」

そのとき、ようやくハッと我に返る。
向井くんが話していたというのに、私は一切聞いていなかったのだ。


「ご、ごめんなさい……!」
「気にしないで。それよりなにかあったの?」

「なにか……?」

「定例会が始まる前は明るかったのに、終わった頃には暗くなってたから」

「……っ」


どうやら向井くんには、ぜんぶバレバレだったようで。


「じ、実は友達と会う約束してて……でも長引いたから無理だなって」


久我の名前は出さずに、友達と言い換えて向井くんに本当のことを話した。