「先生も迷惑してるんだからね。テストの点は良くても提出物は基本的に出さない、良い成績をあげたくてもあげられないって」

「何度も聞いた、それ」


グラウンドの見える窓際の、一番後ろの席に座る久我。

そんな彼は一切私を見ようとせず、今だって窓の外をぼーっと眺めていた。


その姿だけでも絵になるのだから悔しい。


くっきりとした二重の切れ長い目に、形のきれいな眉。
スッと通った鼻筋に、不機嫌そうに閉じられた薄い唇。

サラサラとした黒く短い髪に、耳元でキラリと輝くシルバーのピアスが、久我のかっこよさを際立たせている。


顔だけは良いのだからズルい。
けれど性格は最悪。

ぶっきらぼうな久我に、そろそろ怒りが爆発しそうだ。