「志穂ちゃん、いつもすごいね」
「煌介に話しかけられる女子は日南さんくらいだな」


なんて、ヒソヒソ話しているつもりかもしれないけれど、がっつりと私の耳にまで届いている。

中でも女子からは尊敬の眼差しを向けられていた。


それもそのはず、今面倒くさそうな顔をしている久我という男は、誰もが黙って見過ごせないほどの整った容姿のため、女子からの注目度が高い。

さらに女嫌いで有名の久我に、女子は一切近づけないでいた。


そのため平気で話しかける私をすごいと思っているのだろう。

こっちは迷惑をかけられているというのに。