相手はもちろん久我だ。

髪で隠していたのだけれど、最悪なことに今日は体育の授業があり、仕方なく絆創膏を貼ったのである。


「痒くても掻いたらダメだよ?
悪化するんだから」

「わかってるよ……!」


キスマークをつけられたときは久我の甘さに酔って、つい受け入れてしまったけれど、我に返った今では後悔しか残っていない。

だってこれを見られてしまえば、怪しまれるに決まっている。