久我と付き合って早2ヶ月。
私は未だに、彼の強引で甘い一面に慣れそうにない。


「なぁ、いつまでこの関係続けるんだよ」

そんなある日の放課後。
私は久我の家に来ていた。


「なにが?」

「なにがって、わかってんだろ。学校ではただの同級生演じて、ふたりで会う場所はいつも家」

「うっ……」


久我の不満な声が耳に届く。
そう、私たちは周りに秘密で付き合っていた。


学校では今までと変わらない距離感で接し、初デートの場所も家だった。

それに対して不服なようで。
けれど私は勇気が出ず、今も周りにバレたくないと思っていた。


「早く言いたいんだけど。
志穂は俺の女だって」

「だ、ダメだからね……!」


久我と付き合っているとバレたら、周りがなにを思うかわからない。

不釣り合いだと笑われるのが目に見えている。