「ゾーイ！！」

ロネが音のした部屋のドアを開けると、そこにはいつどうやって侵入したのかユミルが立っていた。ユミルから離れたところでゾーイは泣き崩れ、ネイサンは剣を奪われ壁に突き飛ばされてしまっている。

「ゾーイ！！ネイサン！！」

ロネが二人に声をかけると、「おや？もう来たの？」とユミルは楽しげに笑った。ゾーイが「ロネ、来ちゃダメだ！」と叫んだ。

「大丈夫！俺が君を守る！！君に人殺しなんてさせない！！」

ロネはそう言い魔法を放つ。しかし、その魔法は簡単にユミルに避けられてしまう。

「お前の攻撃はこんなものか……。そこにいる勇者の息子より楽しめない」

ユミルはそう言い、ネイサンを指差す。体中が傷だからのネイサンは体を起こそうとしているが痛みで動けない。

「……そんなこと、あなたに言われる筋合いはない！！」

ロネはユミルに攻撃するのをやめ、ネイサンに傷を治す魔法を使う。ネイサンの傷が少し癒えた。

「ロネ、ありがとう」