「ん?どうしたの?」
とことん甘い声を出す圭人。
今まではこれを隠していたのか......。
「あ、あのね。その......こ、こうやって抱きしめたりとか、き、き、キスしたりとか......、もう少し待って欲しいの!」
言った。言い切ったよ私。
自分で口に出すのも、恥しい。
「どうして?」
どうしてってーー。そういいながら、圭人は私を離す気は無いらしい。
さらに、ぎゅっと力を込めてきた。
「ーー私の、心臓が持たないから......。ドキドキしすぎて、大変なの!」
「陽葵が、俺にドキドキしてくれるの?そんなの嬉しいに決まってる!そんなこと聞いたら、なおさら離せないね」
どうしてそうなるの!?
覚悟を決めて、恥ずかしいのに言った私の勇気はーー?
「陽葵は、ずっと俺にドキドキしてて?じゃなきゃ許さない」
耳元で言われたので、当然耳に息がかかる。
くすぐったい、その感覚に、ビクッと身体が震えた。
「ふーん。陽葵、耳弱いんだ」
「あっ......」



