帰り道、光くんの車の中でまた泣いてしまった。

唯の思いが通じたこと…達也くんの幸せそうな笑顔…お似合いで仲よしな二人の姿…

本当に良かった、心からそう思った。そう思ったら涙が止まらなくて光くんから借りたハンカチが沢山濡れてしまった。

光くんは何も言わず、ずっと手をつないだまま運転してくれていた。その優しさに心が満たされる。

「未来…って、ずっとそう呼びたかった。」
急に光くんがそんな話を始めた。

「みぃ、未来ちゃん…そんな風に呼ぶ人はおるけど、未来って呼ぶ人はおらんじゃろ?」

「…?うん。」
光くんの言いたいことは良くわからなかったけど何となくうなずく。

「俺だけ!特別見たいじゃろ」ハハハと笑う光くんにつられてフフフと笑う。

「そんな理由?でも、嬉しい。」

「絶対幸せにする!幸せになろうな俺ら。」
そう言うと不意にチュッとキスをしてきた。

驚き頬が赤くなる。

「はい。よろしくお願いします」
私からも光くんの頬にチュッとキスをした。

光くんは驚いたように一瞬こっちを向いたが運転中であわてて前を向き
「未来にはかなわん。可愛すぎる」
少しすねたように言う。

そんな光くんの横顔を見つめながら幸せを噛み締める。

長く苦しい時間もあったが、それは忘れるために必要な時間だったし、始めるためにも必要な時間だった…。本当にそう思う。

ここから始めよう!二人で!!