愛する人の笑顔を守るために

「クスッ」

「どうした?」

「嶺亜くんに、初めて下の名前で呼んでもらったなぁと思って」


姉弟のそっくりな部分もそうだけど。

ふいに嶺亜くんを見ていたら、さっき嶺亜くんが私に対しての呼び方が変わったから嬉しくてニヤけてしまった。


「咄嗟の事だったから…別に」


口を手で覆い、視線を外す嶺亜くん。

顔には出ていないけど、耳が真っ赤で照れているのに気付く。


「イチャイチャしてないでさっさと行くよ!」

「してねぇし。ゆっくり走るからちゃんと掴まっとけ」

「うん!」


宣言通り、ゆっくりと走ってくれる嶺亜くん。
嶺亜くんからしたら、免許取れたての初心者が運転する並の遅さなんだろうな。

嶺亜くんの背中は大きくて、温かくて、落ち着く。