ーーブァン!
また拳で頬を殴られた時。
扉が勢い良く前に倒れた。
「由乃!」
大きな声で工場内に響かせる人物を目にして驚き、殴られた頬に1粒の雫が流れた。
今まで私の事を"早見"と呼んでいたのに、今の彼は"由乃"と呼ぶ。
「…嶺亜くん」
「由乃ちゃん!」
嶺亜くんの後ろからは直くんがやって来た。
本当はこんな傷見られたくなったけど、そんな事考えてる場合じゃない。
私の霰(あられ)も無い姿を見た2人は、驚く間もなく怒りで満ち溢れていた。
クールで、感情を表に出す事があまり無い嶺亜くんでも。
凄く怒ってるのが目に見えている。
「お前ら、死ね」
嶺亜くんのドスの聞いた声と共に、2人は亮龍会のやつらを倒していく。