ブチッ。


「あんたらみたいなクズのせいで!私らの家庭をぶち壊したんだ!
人の死を笑えるなんて、飛んだクズだっ……!」


金髪の男が私の頬を平手打ちしてきた。

ぶたれた所がヒリヒリするけど、こんなのは昔から慣れてる。


「てか、血の悪魔ってもんは噂通り美人さんやったんかー!」


後ろにいる男達の声。

私の通り名をなんで知ってるんだよ。


「本当……売れば何億かにはなるだろうな?」


金髪の男が私の顎に触れ、顔を持ち上げる。

気持ち悪い…。

すぐさまその手から顔を背け、男を睨む。


「汚れた手で触んな」


ゔっ……。

2度目の平手打ち。


「これ以上反抗したら、美人な顔が台無しになるよ?お嬢ーちゃん」


誰がお嬢ちゃんだ、汚れたオッサンが。



あー、血の味がする。

これは口の中切ってるわ。
頬も痣になっているはず。

今なら、拳が使える時なのに。ロープでキツく縛られていて使えない。