11時半。
うん!この時間なら余裕で間に合う!
颯馬くんに〈今用事が終わったから、そっちに向かうね!〉と送る。
私はそのメールの画面を最後に、記憶が閉ざされた。
「…ん」
ゆっくりと目を覚ます。
私の足元には、さっき歩いていたはずの場所
とはまた別のコンクリート。
どこなの?
ゆっくりと顔を上げると、複数の男達が立っていた。
15人くらいだろうか。
目が覚めたばかりで、まだ視界がぼやけている状態。
「お、やっとお目覚めか」
視界が段々とクリアになると、目の前にはスーツ姿の男。
顎に髭を生やして、毛先は金髪で根元が黒の短髪。
「誰」
「誰って酷いね〜。君が今探し求めている者だろ?」

